- コスパの良いテントが欲しい
- ワークマンのソロテントの細部が気になる
- BASICドームテントのメリット・デメリットが知りたい
22年に入り、待ちに待ったワークマンオリジナルテントが発売になりました。
綿ヤッケなどキャンパーに愛されるアイテムを数多く販売するワークマンのテントと言うことで、注目していた方も多いのではないでしょうか?
この記事ではそんなワークマンのソロ用テント、BASICドームテントの各部をレビューしていきます。
今回で4つめのテント購入となる筆者が、実際に設営して良い点・悪い点を紹介します。
記事序盤ではワークマンのBASICドームテントのスペックや設営方法を紹介し、後半では各部のレビューやメリット・デメリットを解説します。
注目度の高いワークマンのソロテントの特徴が少しでも伝われば幸いです。
BASICドームテントのスペック
- BASICドームテントのメーカー公開スペック
- 設営サイズ(約):長さ215×幅104×高さ98㎝
収納サイズ(約):直径13㎝×長さ55㎝
前室の奥行き(約):30㎝
本体重量(約):2.5㎏
耐水圧:フライシート約2,000㎜、フロア約3,000㎜
重要な部分をまとめると、BASICドームテントの基本スペックはこのようになっています。
テント本体に付属品としてロープ6本、ペグ13本、メインポール2本、キャノピーポール2本、説明書が付属します。
ちなみにカラーはグリーン・レッド・キャメル・コヨーテ×ブラウン・ネイビー・迷彩の6種類です。
私は今までのテントと被らず、かつ他のギアと違和感の無いコヨーテ×ブラウンを選びました。
設営方法
BASICドームテントの設営方法は、ドームテントで一般的な手順でとても簡単。
難しい工程や間違えるポイントも特になく、慣れれば10分程度での設営も十分可能です。
設営手順を写真付きで解説していきます。
1.グランドシートの上にテントを広げる
まずはインナーテントをグランドシートの上に広げます。
風が有る場合、風上側からペグを打ちながらインナーテントを広げましょう。
グランドシートが大きすぎる場合、テントの床面より少し内側に入るくらいに折り込んでおきましょう。
2.メインポールを取り付ける
メインポールを伸ばし、インナーテントに取り付けていきます。
メインポールをまっすぐに伸ばし、片方をテントの角の穴にさし込みましょう。
片方が入ったらポール全体を曲げながら、対角の穴にもポールをセット。2本目のポールも同じ要領で残りの穴に通します。
ポールを曲げるときはポール全体が均等に曲がるように意識すると折れにくいです。
3.メインポールを立て、テントを吊り下げる
メインポールをセットし終えたらポールを持ち上げ、インナーテントに取り付けられたフックをポールに引っかけていきます。
計12個のフックと頂上の紐をメインポールに固定すればインナーテントは完成です。
ペグダウンがまだ済んでいない場合、インナーテント完成時点でペグを打っておきましょう。
4.フライシートをかけて固定する
インナーテントの上からフライシートをかけて、フライシート内側の紐をメインポールに結び付けていきます。
フライシートをかける時、インナーテントとフライシートのドアの向きが合っているか確認しましょう。
紐を結び終えたら、フライシートとインナーテントの四隅に付いているバックルを連結してフライシートを完全に固定します。
フライシート後方のベンチレーションもしっかりと開いて、マジックテープで固定しておきましょう。
5.ガイロープを張り、キャノピーを立てる
風対策のガイロープと、キャノピーポールを立てれば完成です。
テント内のランタンフック部分には小物入れが取り付けられるため、必要に応じて取り付けましょう。
設営お疲れさまでした!
BASICドームテントの各部レビュー
この記事の本題でもある、ワークマンのソロテントのレビューに入っていきます。
簡単にまとめると、価格を考えると十分すぎるくらい充実した内容のテントでした。
収納サイズはかなり小さい
購入後最初の印象は「収納サイズめっちゃ小さい!」でした。
コールマンの定番テントであるツーリングドームstが直径19㎝×49㎝程度の収納サイズに対し、ワークマンは直径約13㎝×55㎝と6㎝ほど細くなっています。
写真はコールマンのツーリングドームlx(stより少し大きい)との比較ですが、かなりコンパクトにまとまっています。
収納場所や持ち運び時などかなり楽なサイズです。
設営は一般的なドームテント方式でカンタン
設営方法は先に解説した通りかなりシンプルで、難しい工程は特にありません。
フライシートの固定がバックルになっているなど、設営が簡単になる工夫も盛り込まれています。
強いて言うなら、フライシートをメインポールに結ぶのが少し大変なくらい。
設営に不安を感じる事の多い初心者でも安心です。
生地の質感は高く良い感じ
4,900円(税込み)という低価格から購入前の不安要素でもあった生地の質感ですが、想像よりはかなり良い感じでした。
インナー・フライ共にビニールシートのようなカシャカシャ感も無く、フロアは3,000㎜という耐水圧で安心感もあります。
インナーテントの壁は少し薄く感じましたが、全体的に5,000円以下とは思えない仕上がりです。
ランタンフック周辺は工夫有り
何かと便利そうなのが天井のランタンフック周辺。
ランタンを掛けられるのはもちろんのこと、必要に応じて小物入れを取り付けることができます。
軽いランタンであれば、小物入れと一緒にバンド部分に吊り下げられそうです。
付属品は少し頼りない部分も
設営を進める中で、付属品の強度には少し不安を感じました。
グラスファイバー製のメインポールはしっかりしていますが、特に気になったのがペグの細さ。
ペグは鉄製では有りますがかなり細く、ペグダウン中に回転しやすく曲がりやすいです。
ツーリングドームの標準ペグが打ち込める地面でも、BASICドームテントのペグは曲がってしまいました。
ペグは別売りの頑丈なものを用意するのがおすすめです。
室内は完全1人用で、コットも可
室内の広さは完全に1人用で、寝袋と荷物がちょうど入るくらいのサイズ。
テント奥側中央には小物入れポケットが付いています。
コットも使用可能ですが、荷物置き場はかなり狭くなってしまいます。
入口が狭いため、テント内でコットを組み立てるorポール立てる前にテント内にコットを入れる等の工夫が必要。大きい物は入らないかも…
コットも使用可能ですがコットをテント内で組むのはなかなか大変なので、インナーマット+寝袋で使う方が向いているでしょう。
コットを使用する場合、私が使っているFUTUREFOXのローコットであれば使用することができました。
通気はドア上部と後部ベンチレーションのみ
通気に関する設備は少し少なく、前方ドアの上半分のメッシュとテント後方のベンチレーションのみ。
テント自体が小さいため大掛かりな換気をすることは少ないと思いますが、他のテントと比べると少し換気能力は低いように思います。
大きな窓でガッツリ風を通すことができない分、真夏などは少し暑いかも…?
またインナーテント後方上部のメッシュ部分は閉じることができないため、真冬の使用も少し厳しいでしょう。
収納ケースの使い勝手は微妙
撤収時に気になったのが収納ケースの使いづらさ。
まとめたテントの直径に対してギリギリなサイズなのは多くのテントでよくあることですが、BASICドームテントの収納ケースはハッキリ言って片付けづらいです。
その最大の原因はケース内側の処理で、ゴムのような手触りで少し滑りが悪くなっているため、テントがケース内に滑り込んでいきません。
どれだけ小さくまとめても収納は一苦労。後ほど解説しますが、テント本体をビニール袋に入れるとかなり簡単に収納できます。
収納しづらさはビニール袋で解決
コスパ良くキャンプを楽しめるBASICドームテントですが、撤収時にテントをしまうケースが若干くせ者。
内側の処理のせいか、どれだけテントを細くまとめてもなかなかケースに入ってくれません。
どうしてもテントが入らない場合、テント本体と付属品を一まとめにしたものをビニール袋に包んで、その状態でケースに収納すると解決できます。
これだけでスルスルとケースに入っていくので、収納で困っている方はぜひお試しください。
BASICドームテントのメリット・デメリット
ワークマンのソロテントのメリット・デメリットを簡単にまとめていきます。
- BASICドームテントのメリット
- ・価格が安い
・設営がシンプルで簡単
・カラーバリエーション豊富
・キャノピーも使えてコスパが良い
・生地や耐水圧などクオリティも高い
ワークマンのBASICドームテントのメリットは、扱いやすさや機能を充実させながらも4,900円(税込み)と価格が安く、非常にコスパが高いこと。
好きな色を選べたり気軽にキャンプを楽しめる価格帯なことから、とりあえず初めてみたいキャンプ初心者にはかなりおすすめできるテントです。
カラーバリエーションがここまで豊富なテントも珍しく、イメージに合わせて幅広いラインナップから選ぶことができます。
最もコスパの高いポイントはキャノピー機能で、タープなど追加購入無しでも日中は日陰で快適に過ごせるというメリットがあります。
- BASICドームテントのデメリット
- ・換気調整範囲が狭い
・ペグ等の付属品が弱い
・コット使用はできるが少し難しい
これだけ低価格なテントに対して辛口ではありますが、設営して感じたデメリットも紹介。
換気性能は任意で開閉できるメッシュ部分がドア上部しかなく、テント後方のメッシュは常時開いているため、通気の調整幅はあまり広くありません。
付属品の中では特にペグの強度が低く、柔らかい土や芝のサイト以外では曲がってしまうかも。頑丈なペグの用意がおすすめです。
入口や室内が狭くコットの使用はギリギリ可能という感じ。設置も工夫が必要で、コット使用時は荷物置き場も狭くなってしまいます。
コットの使用などより快適性を重視したい場合、一回り大きいテントを使うのがおすすめです。
グランドシートについて
ワークマンのBASICドームテントのインナーサイズは公式な表記がありませんが、広げたインナーテントを測ったところ、実測で約208㎝×98㎝でした。
長辺方向は少しはみ出てしまいますが、BASICドームテントに使うグランドシートにはGEERTOPのグランドシートMサイズ(90×210㎝)がおすすめです。
長辺方向208㎝以下で丁度いいサイズのグランドシートって全然見当たらないんですよね…。
GEERTOPのグランドシートは私もこれまでコールマンのツーリングドームで愛用していて、全くと言っていいほど水が染みて来ない耐水性が魅力のコスパの良いグランドシートです。
今回のBASICドームテント設営ではGEERTOPのグランドシートのXXLサイズ(180×210㎝)を二つ折りで使用しましたが、ほぼピッタリなサイズになりました。
長辺側が少しはみ出してしまいましたが、インナーテントのフロアとほぼ同じ寸法になりました。
90×210㎝のMサイズであれば、長辺側を少し折り込むだけで丁度いいサイズで使うことができるでしょう。
一緒におすすめしたいギア
最後に少しではありますが、BASICドームテントと一緒に使うのにオススメなギアを紹介します。
最低4本は頑丈なペグの用意がおすすめ
テント本体から付属品までなかなか充実したBASICドームテントですが、付属品の中で唯一ペグの弱さだけが少し気になりました。
鍛造ペグなどの頑丈なペグであれば曲がらないだけでなく、ハンマーなどで打ち込んだ力がしっかりペグに伝わるため打ち込みもスムーズで設営時間を短縮できます。
おすすめは鍛造ペグのエリッゼステークで、カラーバリエーションも豊富なのでテントに合わせた色を選ぶことができます。
テント本体に使用する4本だけでも頑丈な別売りペグと、ペグハンマーを用意しておくのがおすすめです。
キャノピー下で使うチェアは極力低く
キャノピー付きのBASICドームテントですが、キャノピーの高さは割と低め。
キャノピーの下で過ごしたい場合、使用するチェアはロゴスのあぐらチェアなど座面がなるべく低めなものがおすすめです。
いわゆるローチェアの中でも、極力座面の低いものを選んだ方がキャノピーに頭が当たらずに済むでしょう。
まとめ
ワークマンの1人用テント、BASICドームテントについてレビューしてきました。
- 生地、機能、付属品も充実でコスパ抜群
- 設営方法はシンプルで初心者にも優しい
- 十分な耐水圧で突然の雨でも安心
- カラーバリエーション豊富
- 標準でキャノピー機能付き
- 真夏や真冬の換気調整の幅は物足りないかも
- ペグは頑丈な物を別途用意するのがおすすめ
ワークマンのBASICドームテントのおすすめ度を一言で表すと「なるべく安価にキャンプデビューしたい人にはかなりおすすめなテント」だと思います。
初キャンプをしっかり楽しめるだけの機能が揃っていて、キャンプ初心者の方も物足りなさを感じることなくしっかりキャンプを楽しめるでしょう。
アンバサダーの方の意見が反映されているだけあり、良く考えられたテントだと思います。
一方で、ワンランク上の快適性や長く使えるテントが欲しいと考えている方にはもう少し上位のテントが合うかも」知れません。
いずれにせよBASICドームテントは「基本のキ」的なテントであり、初心者の方が初めてのキャンプ体験を得るにはかなり優秀なテントなのは確かです。
キャンプデビューを考えている方は、まずはワークマンのテントから第一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか?
この記事が少しでもあなたのテント選びのお役に立てば幸いです。
最後まで記事を読んでいただき、ありがとうございました。