- ソロキャンプにタープは必要?
- タープを使うメリットって何?
- ソロキャンプに適したタープは?
日差しを遮り、広く快適な居住空間を作ることができるタープ。
キャンプ場に行くとテントとタープを併用しているキャンパーも多く、タープが有るだけでも随分とサイトが立派な雰囲気になります。
今回の記事ではそんなタープについて、ソロキャンプでも必要か?どんなタープがソロキャンプに適しているのか?といった視点から、ソロキャンプでのタープ使用について解説していきます。
半年以上タープを使用してきましたが、ソロ・デュオ共にタープが有るだけで快適性が大きく向上します。
タープ形状や生地の種類など基礎知識、ソロキャンプでタープを使うメリット、ソロキャンプに適したタープについて…といった順で記事を進めていきます。
タープに関する知識を付けて、ソロキャンプの快適さをワンランクアップさせましょう!
そもそもソロキャンプにタープは必要か?
ソロキャンプでのタープの必要性を筆者の言葉で表すと、「タープは必須では無いが、快適さを重視するならかなり重要」だと考えています。
タープは使うまでメリットがイメージし辛くもありますが、タープが有るだけで暑さ・雨・風から日焼けまで、様々なアウトドアのデメリットを避けることができてかなり快適に過ごせるようになります。
実際私自身もタープを使い始める前は、設営が手間だしソロにはあまり重要じゃないと考えていました。
そんな私がタープ購入に踏み切ったきっかけになったのは、キャンプデビュー後初の夏ソロキャンプが想像以上に日陰が少なく、どこにいても暑くて大変な思いをした経験からでした。
森林キャンプ場で涼しいだろうと油断していましたが、日中は楽しさよりも「暑い」という気持ちが勝っていました…(笑)
その後タープを購入して1年、同じキャンプ場で夏場のソロキャンプをしたところ、タープの日陰が有るだけでも1年前のキャンプは何だったのかと思う程快適に気持ちよく過ごすことができました。
暑さの感じ方は人それぞれではありますが、少なくとも暑い時期もソロキャンプを楽しみたい方にはタープの使用を強くおすすめします。
また雨が降った時もただ焦るだけでなく、「タープが有るからまだ大丈夫」と思える気持ちの余裕も生まれてきます。
タープの形状と特徴
一口にタープと言っても様々な形状があり、それぞれに特徴や長所短所があります。
それぞれの特徴について簡単にまとめて解説します。
ソロキャンプに使う場合、ヘキサタープやムササビ型のタープ、ウィングタープが適しています。
ヘキサタープ
キャンプ用タープでは比較的オーソドックスな、6角形のタープ。
ポール類が全てセットで価格が安い物も多く、コスパの高いタープです。
ソロでも設営できる扱いやすいサイズ感でありながら比較的広い日陰を作ることが出来るため、少人数のグループ使用にも対応できます。
見た目も適度にスリムなので、ソロキャンプで使用しても違和感がありません。
ある程度の設営アレンジも可能で使い勝手も良いため、初めてのタープとしても扱いやすいタープです。
レクタタープ
長方形の生地を持ったレクタタープは大型のものが中心となっており、ファミリーやグループでも快適な広い居住空間をつくることができます。
またその大きさを活かして様々な設営アレンジをすることができ、1つのタープで風よけの壁から日除けの屋根までの役割を同時にこなせるのが強み。
ただソロキャンプには大きすぎるものが多く、キャンプサイトもかなりの広さが必要になるため少人数にはあまり適していません。
ちなみに似たタイプのタープとして、正方形の生地を持つスクエア型のタープもあります。
ムササビ形タープ
5角形の生地がシャープなシルエットを作り出す、ムササビ型のタープ。
一方を下げたスタイルでの設営に適した形状になっているので、コンパクトなソロ用テントとの相性は抜群。
スリムな見た目もあり、テントと組み合わせてもシャープで雰囲気良く設営できるのが魅力的な、ソロキャンプや少人数キャンプにピッタリなタープです。
デメリットとしてはシャープさ故にカバーできる面積が狭くなりがちなので、最大限活用するにはテントとの連結方法を工夫(オガワ張り等)する必要があります。
ウィングタープ
ひし形や正方形の生地で、四隅を固定して設営するウィングタープ。前述のムササビ型もウィングタープと呼ばれることが多いですが、形状を識別するために分けて紹介します。
ウィングタープはポール2か所+ロープ2か所の計4箇所で設営するため、他に比べて設営が簡単でコンパクトに仕上がるのが特徴のタープです。
ムササビ型同様立ち姿がシャープでカッコいいタープですが、カバー面積は少し狭め。
ソロ~2人くらいでの使用に適したタープです。
タープテント
4本足で折り畳みのメインフレームを持ったタープテント。
2人でフレームを広げるだけで設営出来るため扱いは簡単ですが、重量があり収納サイズも巨大なためあまりキャンプ向きなタープではありません。
庭でのバーベキューなど、狭いスペースでサッと使いたい時に便利なタープです。
スクリーンタープ
ドームテントに似た外観のスクリーンタープ。
テントと連結できるタイプのものも有りますが、多くはファミリー向けでソロキャンプ向けではありません。
小型なものはワンタッチで展開するものも多く、海水浴やピクニックなど、手軽なアウトドアに便利なタープです。
タープの材質は大きく3種類
タープの材質は大きく分けるとポリエステル、ポリコットン(TC素材)、コットンの3種類。
- ポリエステル
- タープでは恐らく一番多い材質。他に比べると安価で軽量コンパクト、耐水性にも優れている。耐火性能は低く穴が空きやすいので、焚き火などの火の粉に注意が必要。
- ポリコットン
- TC素材とも呼ばれる、コットンとポリエステルの混合素材。ポリエステルよりも耐火性に優れ、生地の見た目も落ち着いた風合いになる。ポリエステルよりも重く、収納時も少し大きい。また水を吸いやすく乾きにくいため、よく乾かすなど管理が重要。
- コットン
- 3種のなかで最も重量が有り、収納サイズも大きい。外観の雰囲気がよく、熱にも強くタフなものが多い。価格も高く手入れなど手間もかかるため、どちらかと言うと上級者向け。
ソロキャンプで使用するなら荷物を圧迫しないポリエステルか、ポリコットンのタープがおすすめ。
ポリコットンタープはソロでの使用を考えたコンパクトなものも多くあるため、タープ下で焚き火を楽しみたい方はポリコットンを選ぶと良いでしょう。
ポリエステルのタープの場合、焚き火はなるべく距離を取って楽しみましょう。
ソロキャンプでタープを使うメリット
ソロキャンプでタープを使うメリットは大きく四つ。
デメリットは設営の手間が増えることくらいなので、慣れてしまえばかなりメリットが大きいアイテムと言えます。
メリットが有るのはもちろん、タープが有ると見た目にもカッコよく単純に気持ちも盛り上がります(笑)
雨風を防げる
タープを使うことで、自分自身やテントなどのキャンプギアを雨風から守ることができます。
タープが有るだけでも、天気が多少怪しくても安心して過ごすことができ、万が一雨が降ってもタープ下でスムーズに片付け等の作業をすることができます。
実際かなりの土砂降りになったことも有りますが、タープ以外のギアをほとんど濡らすことなく撤収できたのはかなり助かりました。
またタープのサイドを低めに設営すれば風もある程度防ぐことが出来て、より快適に過ごすことが出来ます。
夏でも涼しくて快適
タープの使用を特におすすめしたいのが、夏場など日差しが強く暑くなる時期。
タープで出来た日陰スペースは適度に風が抜けるため、夏場でも比較的涼しくタープ無しに比べると圧倒的に快適に過ごすことが出来ます。
ソロ用のコンパクトなテントであればタープの下に設営することもでき、テント内に熱がこもるのも防げます。
夏のテントはサウナ状態になりがちですが、タープが有るだけでもかなり軽減されます。
夏キャンプの暑さが嫌な方にこそ、タープの使用をおすすめします。
上からゴミが落ちて来ない
テントの外でのんびり過ごしていると、いつの間にか飲み物や食器の中にゴミが入っている事もしばしば。
特に木に囲まれたキャンプ場では落ち葉や枝なども多くゴミが入ってしまう事も多いですが、タープが有ればそういった上から落ちて来るゴミの侵入もかなり減ります。
お気に入りのカップ等がムダに汚れてしまう事も無く、かなり気持ちよくキャンプを楽しむことが出来るようになります。
私自身あまりゴミを気にする方ではありませんが、ゴミが落ちて来ず汚れないだけでかなりキャンプのクオリティが上がったように感じました。
プライベート感が高まる
1人で楽しむソロキャンプの場合、タープを使えばよりプライベート感を高めることが出来ます。
タープが壁の役割を果たしてくれるため、周囲からの視線を遮ってより落ち着いた空間になります。
特にメジャーなキャンプ場など、ある程度人が多い中でも1人でゆっくりしたい時には有効。
最高の「自分1人のための時間」を楽しむことが出来ます。
ソロキャンプに適したタープのサイズ
ソロキャンプで使うタープの大きさは、最低でも3m×3m以上の大きさがおすすめ。
ウィングタープやムササビ型のタープは3.5m前後、ヘキサタープは4m前後のものが多いですが、それらも決してソロキャンプに大きすぎることは有りません。
愛用のコールマンヘキサライトⅡは4.2m×4.2mですが、1人で設営出来てタープ下にテントがキレイに収まるのでかなり使い勝手が良いです。
ソロキャンプや少人数での使用を考えた場合、テントの前室に連結して使用するならウィングタープやムササビ型のタープ、タープ下にテントを完全に収めたいなら4m以上のヘキサタープを選ぶのがおすすめです。
おすすめなソロ向けタープ
ソロキャンプに使用するタープの選び方としては、使い勝手やコスパを重視するならヘキサタープを、コンパクトさや外観を重視するのであればウィングタープやムササビ型を選ぶのがおすすめ。
ペグやポールが付属していない場合は別途購入が必要になるので、セット内容にも注意が必要です。
ポールやペグを別途用意すると意外と高額になるので、コスパ重視の方はセット品がおすすめです。
ソロから少人数での使用まで想定したタープ
ソロから少人数グループまで幅広く快適に使いたい場合、使い勝手に優れたヘキサタープがおすすめ。
充分な広さがありつつ価格も落ち着いたものが多いため、コスパの面でも優れています。
コールマンヘキサライトⅡ
コールマンのツーリングドーム・エクスカーションティピーと同系色の、コットンのような優しい風合いのヘキサライトⅡ。
タープ本体の他にポール・ロープ・ペグがセットになっているので、購入後すぐに使えるコスパの良いタープです。
ソロからファミリーまで充分なサイズで使いやすいサイズ感で、初めてのタープにもおすすめです。
FUTURE FOXヘキサタープ
生地の裏面にアルミ蒸着加工を施した、遮光性に優れたヘキサタープ。
単に日陰を作るだけでなくUVカットの能力も高く、耐水圧も3000㎜とかなり高水準なので真夏の使用や急な夕立でも安心のタープです。
ロープ・ペグ・ポールは付属していないため、別途用意する必要があります。
DOD いつかのタープ
タープ本体・ポール・ロープ・ペグの基本セットに加え、オガワ張り用の延長ベルトまで付属したお得なセットの、DODのいつかのタープ。
ヘキサタープでは珍しくタン・カーキ・ブラックの3色から選ぶことも出来るため、他のキャンプギアに合わせやすいタープです。
充実したセットでありながら実売価格が税込みで10,000円前後と安く、オガワ張りにチャレンジしてみたい方にもおすすめです。
独特なスタイルがカッコいい個性派コンパクトタープ
ソロキャンプでの使用が中心だったり、設営時のシルエットにもこだわりたい方はムササビ型などのウィングタープがおすすめ。
大人数での使い勝手は少し劣りますが、コンパクトで見た目にもカッコいいものが多くソロキャンプの雰囲気を盛り上げてくれます。
スノーピーク ペンタシールド STP-381
スノーピークのペンタシールドは、独特なシルエットを持った5角形のタープ。
他のムササビ型のタープと異なり、全長に対して幅が広くなっているためデッドスペースが少なくなるメリットもあります。
タープ生地本体のみだと約790gという軽さも魅力で、ポール2本での使用はもちろん、ポール1本でロースタイルで楽しむにもぴったりなタープです。
タープポールは付属していないので、使い方に合わせて別途用意しましょう。
FIELDOOR ウィングタープ
ソロテントなどコンパクトなテントと相性がいい、FIELDOORのムササビ型のタープ。
ムササビ型のタープのタープの中では安価でコスパが良いのが特徴です。
一般的なヘキサタープより一回りコンパクトで、設営した時のシルエットもシャープで雰囲気を盛り上げてくれます。
ただしポールは付属しないので、タープポールは別途用意しておきましょう。
ロゴス tradcanvasツーリングタープ
四角形でよりシャープなシルエットを持つ、ロゴスのツーリングタープ。
高さ約1.8mと低めな設計で、ツーリングテント等の低めなテントと組み合わせるにもぴったりなタープです。
ヘキサタープやムササビ型よりもペグダウン箇所が少ないため設営も簡単。
ポール・ペグ・ロープに加えてペグハンマーまで付属し、非常にコスパの高いセットになっています。
低価格なtradcanvas(トラッドキャンバス)以外に、遮光性を高めたトラッドソーラーも販売されています。
焚き火を楽しむ難燃タープ
軽量でコスパの良いポリエステル製のタープですが、火の粉や熱で穴が開きやすいという弱点があります。
タープ下で焚き火を楽しみたい方は、TC素材(ポリコットン)やコットンのタープ使用がおすすめです。
タープ下で焚き火をすると雨を防げるだけでなく、タープ内が焚き火の熱で温かくなるので寒い時期でも快適になるというメリットもあります。
TOMOUNT ポリコットンタープ
35%がコットンのTC素材(ポリコットン)を使用したムササビ型のタープ。
設営時の形状もカッコよく、広い日陰スペースを確保しつつタープ下での焚き火も安心して楽しめます。
約3.8m×3.6mと広さも充分あるので、ソロはもちろん3人くらいまでの使用は可能です。
コスパ・外観の両方の面で優れているので、初TCタープとしてもおすすめ。
ポールのみ付属していないため、別途用意が必要です。
Soomloom TCウィングタープ
こちらもコットン35%のTC素材を使用した、四角形のウィングタープ。
収納時サイズもコンパクトなので、荷物を減らしつつTCタープを楽しみたい方にもおすすめ出来るタープです。
ポールは付属していないので、別途用意が必要。
2m程の少し短いポールを使用すれば、ウィングタープ特有のデッドスペースの狭さを多少改善できます。
DOD ヘーキサタープ
コスパの良いアイテムを多数発売するDODからは、TC素材のヘキサタープもラインナップ。
広いスペースを作ることが出来るヘキサタープなので、4人程度までタープ下に入りながら、タープ内で焚き火やBBQを楽しむ事が可能。
ファミリーやグループでもタープ下での焚き火を楽しめる、少人数グループにぴったりなポリコットンタープです。
TC素材のタープでは珍しくタン・ブラックの2色を選べるのも魅力。
ポール・ペグは付属していないため、別途用意しましょう。
必要に応じてポールやペグも用意
タープはポールやペグ等が付属していないものもあるため、購入時は付属品やセット内容に注意が必要です。
ポールが付属していない場合、ヘキサタープなど比較的大型のタープのポールには直径25㎜以上の太めのポールがおすすめ。
DODのBIGタープポールは直径28㎜としっかりした強度があり、50㎝刻みで最長250㎝で使えるため高さも充分です。
サブポールとしての使用やコンパクトなタープには、直径19㎜のコンパクトタープポールも有ると便利です。
ペグを別途用意する場合、頑丈な鍛造ペグがおすすめ。
タープに使うペグは本体の重量や風など大きな力を受ける事になるため、なるべく頑丈で長さのあるペグを用意しましょう。
私はタープ設営にエリッゼステークの28㎝のペグを使っていますが、カラーも豊富で石の多い地面にも打ち込めるためかなりおすすめです。
タープは非常に大きい力を受ける可能性があるギアなので、ポールやペグもそれに合った頑丈なものを選びましょう。
まとめ
ソロキャンプでのタープの必要性について解説してきました。
ソロキャンプにタープは必ずしも必要では無いものの、快適さを求めるならば強くおすすめしたいアイテムです。
特に夏場など暑い時期にキャンプをする方には、私の経験からも本気でタープ使用をおすすめします。
1人でタープを設営する手間は増えますが、タープにはそれに見合っただけのメリットがあります。
テント設営にある程度慣れてからタープを導入すると、設営がスムーズに進むでしょう。
タープは小さく収納できて場所を取らず、ソロからグループキャンプまで幅広く役立つアイテムなので持っていて損は有りません。
今年の夏はタープを使って、去年よりも快適なキャンプを楽しんでみてはいかがでしょうか?
この記事が少しでもタープ選びの参考になれば幸いです。
最後まで記事を読んでいただき、ありがとうございました。