- カーボンブレードのナイフを錆びを防ぎたい
- 黒錆加工の手順が知りたい
- 黒錆加工の加工液の作り方を知りたい
ステンレスブレードよりも研ぎやすく、鋭い切れ味が魅力のカーボンブレード(炭素鋼)ナイフ。
価格も安く魅力的ではありますが、錆びやすいのがデメリットではあります。
今回の記事では、カーボンブレードモデルのオピネルを使用して、炭素鋼の錆止めに有効な黒錆加工の手順について解説していきます。
分解なども不要、実際に何かしら作業をする時間は15分程度で完了。かなり簡単に錆止めが可能です。
黒錆加工のを施して、ナイフの手入れから楽しんでいきましょう!
オピネルの黒錆加工の手順
さっそく黒錆加工の手順について解説。
オピネルの黒錆加工をする際本体を分解して処理する方もいますが、今回私は分解無しないで手軽に済ませました。
分解の必要性に関しては後ほど書いていきます。
またこの記事ではオピネルの♯9を使用して手順を解説していきますが、カーボンブレードのナイフで有れば他のものでも同じ手順で黒錆加工が可能です。
黒錆加工の手順としては、以下の通りです。
- 錆や汚れを取り除き、研ぐ
- 加工液を作る
- ナイフの刃を浸ける
- 刃を洗い、しっかり水気を取る
錆の無い新品状態からであれば、全て通しでも1時間半ほどで作業が完了します。
- ナイフ本体
- 紅茶
- 酢
- 鍋
- 加工液を入れる容器
- 割りばし
- 輪ゴム
①錆びや汚れを取る、刃を研ぐ
加工を始める前に、まずはナイフの刃をしっかり研いでおきます。
カーボンブレードは研ぎやすいため、ホームセンター等で売っている中仕上げ砥石でもサクサク研ぐことができます。
刃を研ぐのと同時に、ブレード表面の錆びや汚れをしっかりと落としておきましょう。
汚れが残った状態で黒錆加工を行うと色ムラなどの原因になります。
シリコンオフやパーツクリーナーで油分をしっかりと落としたあと、中性洗剤を使って刃の汚れを落とします。
パーツクリーナー等が無い場合、洗剤でしっかり洗って油分を落としておきましょう。柄の部分に水がかからないように注意が必要です。
洗い終わったブレードは錆びないようにすぐに水気をふき取りましょう。
②紅茶を煮だして加工液を作る
刃を洗い終わったら加工液づくり。鍋に水と紅茶のパックを多めに入れて、3分ほど煮だしてしっかり濃い紅茶を出していきます。
今回は250ccの水に対して3つの紅茶パックを使用しました。
十分濃い紅茶が出たら冷めるまで待ち、酢と混ぜて加工液を作っていきます。
紅茶と酢の比率は5:1が目安。今回は250ccの紅茶に対して50ccの酢を入れました。
液をよく混ぜれば加工液は完成です。
③加工液にナイフの刃を浸け、放置する
容器の中に加工液を入れてナイフの刃を浸け、1時間ほど放置します。
丁度いい深さのコップが有ったので今回はそれを使用。
割りばしと輪ゴムでナイフを挟み、容器に引っかけてぶら下げるようにすると柄の部分が必要以上に液に浸かるのを防ぐことができます。
30分程放置した時点でもかなり黒くなっていますが、もう少し我慢。
④刃を洗い、しっかり拭いて水気を切る
1時間程放置したら加工液からナイフを取り出し、刃に付いた加工液を流水で流したらペーパータオル等でしっかりと拭き上げたら完成です!
最初の数回の拭き取りでは余分なコーティングがペーパータオルに付着してくるので、キレイになるまで繰り返し拭き上げます。
柄が吸った加工液が乾くまでは刃が閉じにくいので、安全な場所に数時間置いて完全に柄を乾かしましょう。
※無理に刃を閉じようとするとケガをする恐れがあるので、必ず乾くまで待ってから開閉するようにしましょう。
加工液で柄が濡れても大丈夫?
柄が水を吸いやすく、水にぬれると柄が歪んだり正常に使えなくなる可能性のあるオピネル。
分解せずに黒錆加工する場合は柄が濡れてしまうことが心配になりますが、柄の先端側が少し水分を吸う程度であれば、しっかり乾燥させれば問題なく復活します。
黒錆加工の直後はナイフのジョイント部分が水を吸っているため開閉が困難なほど固くなってしまいますが、8時間ほど乾燥させれば手で開閉出来るほどまで回復
しっかりと乾燥させればまた本来の軽さでナイフを開閉させることが可能です。
分解しての黒錆加工はブレード全体にキレイに黒錆加工ができたり柄が濡れないメリットはありますが、その反面でナイフ本体を破損させてしまうリスクもあります。
ナイフの破損を防いだり、分解せずに柄が濡れてしまっても乾けば復活するといった点から、分解せずに黒錆加工するのをおすすめします。
中途半端に乾いた状態だと開閉に普段以上の力が必要になり、思わぬ怪我に繋がる可能性があります。必ず乾くのを待ってから使用するようにしましょう。
黒錆加工で切れ味は変わる?
加工後に試し切りもしてみましたが、黒錆加工をしたことによる切れ味の変化は感じられませんでした。
肉からトウモロコシの芯まで切ることができ、カーボンブレードの切れ味の良さをしっかりと維持してくれています。
黒錆加工の後で刃を研ぐとせっかくのコーティングが剥がれてしまうので、加工前に必ず刃を研いでおきましょう。
ステンレスなら黒錆加工不要
鋭い切れ味と、手間をかけて自分好みに仕上げられるのが魅力のカーボンブレードのナイフですが、実際に使ってみるとやはり取り扱いに気を使います。
水分の付着した状態では錆てしまうため使用したらすぐにキレイにする必要があり、洗う時も流水でジャブジャブ洗う事も出来ません。
それらの点から、カーボンブレードのナイフはとにかく切れ味を追求したい方や道具の手入れを楽しみたい方向け。
手軽に使えるナイフが欲しい方にはステンレスブレードのモデルがおすすめです。
オピネルにもステンレスブレードのモデルが有るのはもちろんですが、極限まで手間を省いて使えるナイフが欲しい方はモーラナイフがおすすめ。
モーラ コンパニオンステンレスは研がなくても切れ味が良く、調理からバトニングまで幅広く使える優秀な一本です。
まとめ
カーボンブレードのナイフの黒錆加工について解説しました。
- しっかりと研いで油分や汚れを落とす
- 紅茶は濃く出して、紅茶と酢は5:1の割合
- ナイフの刃を1時間ほど漬け込んで放置
- 加工液を洗い流し拭き上げ、柄をしっかり乾燥させる
黒錆加工は実際にやってみるとそこまでの手間もかからず、多少水にぬれても簡単には錆びない防錆能力を得ることができます。
道具への愛着も増してくるため、カーボンブレードのナイフを手に入れた際にはぜひやっておきましょう。
この記事が少しでもお役に立てば幸いです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。